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社会変動

【共通】社会学と社会システム

社会変動とは、社会の構造や制度、価値観、人々の生活様式が長期的に変化する現象を指します。人口の変化や経済の発展、技術革新、戦争や災害など、さまざまな要因によって引き起こされ、社会全体に大きな影響を与える特徴があります。

社会変動を研究した主な人物

テンニース

社会の変化を「ゲマインシャフト(共同体)」から「ゲゼルシャフト(利益社会)」への移行ととらえました。人間関係の親密さが失われ、形式的な関係が主になるとしました。

コント

社会は神学的→形而上学的→実証的という三段階で進化するという三段階(三状態)の法則を提唱し、人類の知的進化を3つの段階で説明しました。

  • 神学的段階:超自然的な存在(神・精霊など)を原因として、すべての出来事や社会現象を理解しようとする段階です。
  • 形而上学的段階:抽象的な原理や本質(例:「自然の力」「理性」など)に基づいて、現象を説明しようとする段階です。神学より洗練されますが、まだ科学的根拠には到達していません。
  • 実証的段階:事実の観察、実験、科学的な思考に基づいて社会や自然を説明します。この段階では、客観的・合理的な方法で問題解決や理解がなされます。
デュルケム

社会分化論の立場から社会的分業の進展に伴って機械的連帯から有機的連帯に移行すると考えました。

  • 機械的連帯:伝統的な社会で見られ、個人間の役割や価値観が似ており、同質性によって社会がまとまる状態です。たとえば、農村社会や部族的社会がこれに当たります。
  • 有機的連帯:産業化が進んだ近代社会で見られ、役割や職業が細かく分化される中で、異なる機能を持つ個人同士が相互に依存し合って社会が成立する状態です。社会分化が進んだ結果として現れる連帯です。

しかし、このような社会分化の進行によって、社会的な規範が不明確になる状態が生まれることがあります。デュルケムはこのような状態をアノミー状態と呼び、犯罪や自殺の増加など、社会秩序の不安定化を招く要因として位置づけました。

スペンサー

 ダーウィンの進化論を社会に応用した社会進化論の立場から、軍事型社会から産業型社会へ移行すると考えました。

  • 軍事型社会:支配・服従や統制が中心となる社会で、戦争や軍事活動を通じて秩序を維持します。権力の集中や強制力による統率が特徴です。
  • 産業型社会:自由な契約や協力によって構成される社会で、経済活動や市民社会を基盤に発展していきます。個人の自由や自主性が重視される点が特徴です。

現代における社会変動のキーワード

近代化・産業化・情報化

  • 近代化:農村型・伝統的な社会から都市型・合理的な社会への移行。
  • 産業化:農業中心の社会から工業・機械生産中心の社会へ。
  • 情報化:知識や情報が社会や経済の中心となる変化。コンピュータやインターネットの普及が大きな要因です。

脱工業社会

工業生産よりもサービス業や知識産業が中心になる社会を指します。ベルが提唱。

第三の波

トフラーによる理論で、人類の歴史を「農業革命(第一の波)」「産業革命(第二の波)」「情報革命(第三の波)」の3段階でとらえました。

リスク社会

ベックが提唱した概念で、科学技術の発展により、新たなリスク(環境汚染、放射能、遺伝子操作など)が社会問題となる社会を意味します。

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