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発達障害・知的障害

【専門】精神保健福祉士

自閉スペクトラム症(ASD)

先天的な脳の機能障害で、対人関係やコミュニケーションの困難さ、こだわりの強い行動や興味の偏りを特徴とします。小児自閉症は通常3歳頃までに症状が現れるとされています。

主な特徴

  1. 対人関係・コミュニケーションの困難
    相手の気持ちを読み取るのが苦手
    ・アイコンタクトや表情の使い方が独特
    ・会話のキャッチボールが難しい
  2. こだわりの強い行動や興味
    ・特定の物事やルールへの強いこだわり
    ・同じ行動を繰り返す(常同行動
    ・環境の変化に対する強い抵抗
  3. 感覚の過敏・鈍麻
    音や光、触覚に対して過敏または鈍感
    ・特定の食べ物や素材を極端に好む・避ける

2013年にDSM-5(精神疾患の診断基準)が改訂され、以下のような障害が「自閉スペクトラム症(ASD)」に統合されました。

  1. 自閉性障害(自閉症)
    知的障害や言語の発達遅滞がある場合が多い
    社会的コミュニケーションの困難や強いこだわりが特徴
  2. アスペルガー症候群
    知的障害がなく、言語発達の遅れもないが、対人関係の困難さやこだわりの強さがある
  3. 特定不能の広汎性発達障害
    自閉症やアスペルガー症候群の診断基準を完全には満たさないが、類似の特徴を持つ

症状の幅が広く、個人によって程度が異なるため、明確に分類するよりも「スペクトラム(連続体)」として捉える方が適切で、柔軟な診断が可能になったことから統合されています。

注意欠如・多動症(ADHD)

不注意、多動性、衝動性を特徴とした障害です。

主な特徴

  1. 不注意
    ・集中が続かず、気が散りやすい
    忘れ物や物の紛失が多い
    ・課題や作業を最後までやり遂げるのが苦手
  2. 多動性
    落ち着きがなく、常に体を動かしている
    静かにしているべき場面で動き回る
    ・過度なおしゃべりをする
  3. 衝動性
    ・順番を待つのが苦手
    ・他人の話をさえぎってしまう

限局性学習症(LD)

知能や視力・聴力に問題がないにもかかわらず読み・書き・計算などの特定の学習に困難がある発達障害です。

読字障害(ディスレクシア)

  • 文字を正しく読むのが難しい
  • 文章を読むスピードが極端に遅い
  • ひらがなや漢字を間違えて読むことが多い

書字障害(ディスグラフィア)

  • 文字を正しく書くのが難しい
  • 形が崩れたり、誤字脱字が多い
  • 文章を書くのに時間がかかる

算数障害(ディスカリキュリア)

  • 計算や数字の概念を理解するのが難しい
  • 繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手
  • 数の大小関係や図形の認識が難しい

知的障害

「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義しています。

知的障害の判断基準は以下の通りです。
IQ(ウェクスラー式、ビネー式などの標準化された知能検査によるもの)が70未満
②年齢に比べて低い社会適応能力とそれによる不適応
18歳未満の発達期に現れる知的障害
 補足:18歳以上で知的機能が低下した場合は、認知症や脳損傷などの別の疾患が疑われる

知的障害における知能指数(IQ)ごとの重症度と特徴

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