知能検査
ウェクスラー式知能検査
知的能力を「言語的な能力」と「非言語的な能力(動作性)」に分けて評価する知能検査です。対象年齢に応じて WPPSI・WISC・WAIS の3種類があります。
WPPSI(ウェクスラー幼児知能検査)
対象年齢:2歳6か月~7歳3か月
幼児の知的発達を評価するための検査です。
発達の遅れや特性を早期に把握し、適切な支援につなげることが目的。
WISC(ウェクスラー児童知能検査)
対象年齢:5歳~16歳11か月
児童の知的能力を測定し、学習の得意・不得意を把握するための検査です。
発達障害(ASD、ADHD、LD)の診断補助に用いられることが多い。
WAIS(ウェクスラー成人知能検査)
対象年齢:16歳~90歳11か月
成人の知的能力を測定し、認知機能の状態を評価するための検査です。
臨床心理や神経心理学的な評価としても使用されます。
ウェクスラー式知能検査まとめ

田中・ビネー式知能検査
主に児童を対象に、知能を「精神年齢(MA)」と「知能指数(IQ)」で評価する検査です。
個人の発達の程度を測定し、発達障害や知的障害の評価に用いられます。
発達検査
新版K式発達検査
対象年齢:0歳~成人
「姿勢-運動」「認知-適応」「言語-社会」の3領域に分けて発達を評価する検査です。発達の遅れや発達障害のスクリーニングに適しており、乳幼児期から幅広い年齢層に対応できるのが特徴です。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査
対象年齢:0歳~4歳
「移動運動」「手の運動」「基本的習慣」「対人関係」「発語」「言語理解」の6つの領域を「できる」「できない」で回答し、発達の遅れを細かく分析できる検査です。所要時間15分ほどででき、親や保育士も簡単に実施できるため、スクリーニングにも適しています。
津守・稲毛式乳幼児精神発達検査
対象年齢:0歳~7歳
「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5つの領域について、母親(主な養育者)や幼稚園・保育園のクラス担当者の観察報告をもとに、子どもの発達状況や行動の特徴を評価する検査で、日常の行動全般に基づいて診断されます。所要時間は約20分で、0~3歳の乳幼児には発達月齢と発達指数を算出し、3~7歳の幼児にはクラス評価や保育の効果を検討する目的で活用されます。
KIDS乳幼児発達検査
対象年齢:0歳~6歳11か月
乳幼児の発達の特性を明らかにするために、「運動」「操作」「理解言語」「表出言語」「概念」「対子ども社会性」「対大人社会性」「しつけ」「食事」の9つの領域から評価を行う検査です。対象児の日常の行動を観察している保護者などが、約130項目の質問に◯×で回答することで、発達の状況を客観的に把握します。
認知症検査
改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)
認知症の早期発見や認知機能の評価を目的とした簡易検査です。記憶、見当識など9つの質問項目から構成され、受検者が口頭で回答する形式で実施されます。
総得点は30点満点で、20点以下が認知症の疑いがある目安とされます。
長谷川式は日本で開発された検査であり、日本の文化や習慣に配慮した質問項目が含まれています。
ミニメンタルステート検査(MMSE)
記憶、見当識など5つの領域について、11の質問項目で評価されますが長谷川式と違い、図形模写など視空間認知機能を評価する項目を含みます。
総得点は30点満点で、23点以下が認知症の疑いがある目安とされます。
MMSEは国際的に使用される認知機能評価法として、より広範な領域を測定できる特徴があります。
人格検査
矢田部‐ギルフォード性格検査
物事の考え方や捉え方、人との関わり方など、性格を構成する12の尺度の強弱を測定し、A型~E型の5つのタイプに分類します。

ミネソタ多面的人格目録(MMPI)
神疾患の診断や性格特性の評価を目的とした質問紙法による人格検査です。550以上の質問項目に対し「はい」「いいえ」「わからない」で回答し、性格や心理状態を客観的に測定します。
ロールシャッハ・テスト
左右対称のインクのしみが描かれた10枚の図版を見せ、被験者が何に見えるかを答えることで、その人の思考様式や感情、性格特性などを分析します。
主題統覚検査(TAT)
人物や場面が描かれた絵を見て物語を作ることで、無意識の欲求や対人関係のパターンを明らかにする検査です。被験者がどのような物語を作るかによって、内面的な葛藤や動機、性格傾向が把握できます。
文章完成法テスト(SCT)
「私は…」「将来…」といった未完成の文章を補完することで、価値観や心理状態を分析する検査です。比較的短時間で実施でき、意識的な回答と無意識的な心理の両方が表れやすいのが特徴です。
バウムテスト(樹木画テスト)
「木の絵を描いてください」という指示に基づき、描かれた木の形や特徴から、人格や情緒の安定性を評価する検査です。内面的な不安や心理的成熟度を推測するのに役立ちます。
. P-Fスタディ(絵画欲求不満検査)
欲求不満場面が描かれた絵を提示し、3つの攻撃型(外罰型・内罰型・無罰型)と3つの反応型(障害優位型・自我防衛型・要求固執型)をもとに、対人関係やストレスへの対処方法を分析する検査です
その他
内田クレペリン精神作業検査
単純な計算作業を一定時間継続させることで、作業能力や性格特性、精神的な持続力を評価する検査です。
ベントン視覚記銘検査
幾何学的な図形を一定時間見せた後、記憶を頼りに模写したり、正しい図形を選択することで、視覚的な記憶力や認知機能を評価する検査です。
コメント